サルコイドーシス

  • サルコイドーシス(サ症)は原因不明の肉芽腫性疾患で、何らかの抗原に対する自己免疫反応で抗原の候補は抗酸菌、アクネ菌、環境や職業曝露物質などが言われているが同定されていない。
  • 病理学的には類上皮細胞性肉芽腫の形成を特徴とする。
  • 症状は実に多彩であらゆる臓器に影響し多彩な症状が生じる。肺、リンパ節、眼、皮膚に好発する。その他、心臓、神経、肝、脾、腎、消化管、甲状腺、唾液腺、上気道、骨、関節、生殖器などがある。時に無症状の場合もある。
  • 原因不明の他臓器疾患を見る場合はサ症を一度は鑑別に挙げる必要がある。
  • 多くの症例は自然軽快するという事実を踏まえ、無治療で経過観察するのが妥当なのか、治療をすぐに導入すべきなのかの判断がまず重要である。
  • 結節性紅斑を伴う急性例(日本では稀)や無症状で両側肺門リンパ節腫脹のみの場合は自然経過で消退することが多いとされる。一方で潜行性に発症し、複数の肺外病変を持つものは慢性に進行しやすく、肺などは線維化が残存しやすい。
  • 診断は「サルコイドーシスの診断基準と診断の手引き2006」で行われる。国際的には1999年にATS/ERS/WASOGによる「サルコイドーシスに関するステーツメント」が出されている。
  • サルコイドーシスの診断が行われたときは、死因として頻度が高い心サルコイドーシスのスクリーニングを心電図、ホルター心電図、超音波検査で行う必要がある。

《疫学》

  • 40歳以下の成人に好発し、20-29歳にピークがある。
  • スカンジナビア諸国と日本では50歳以上の女性に発生率の代のピークがある。
  • 多くの研究で、女性の罹患率が少し高い。
  • 日本の有病率は0.7(0.3-1.7)/10万である。
  • 民族や人種によって発症頻度や重症度は異なる。黒人では重症、白人では無症状~軽症であることがいくつかの研究で示唆されている。
  • 結節性紅斑は日本人や黒人では少ない。日本では心臓および眼サルコイドーシスが多く、死因としては心サルコイドーシスが最多である。その他の地域では呼吸不全が多いとされる。
  • サルコイドーシスによる死亡は1-5%
  • 世界的にはアイルランドでの罹病率が高いが、本邦では北海道の富良野地区で多いとされ、いくつかの家族内集積も知られている。
  • HLA-DQB1*0501は日本人サルコイドーシス心病変症例で高頻度であるが、欧米人では少ない。HLA-DQB1*0201は英国、オランダ人予後良好例で頻度が高い。HLA-DQB1*0602経過不良例で高頻度

《予後》

  • サ症は約2/3が自然寛解し、30%が悪化、10%が悪化する。
  • Löfgren症候群(発熱、結節性紅斑、多発関節炎、BHL)は予後良好で自然寛解率は80%以上。通常6週間以内に自然寛解しステロイド治療を必要としない。但しリンパ節腫脹は1年以上持続することもある。
  • 予後不良因子としては、lupus pernio(びまん性皮膚浸潤サルコイドーシス)、慢性ブドウ膜炎、40歳以降での発症、慢性高Ca血症、腎石灰化症、黒色人種、進行性肺サルコイドーシス、鼻粘膜病変、膿疱性骨病変、神経サルコイドーシス、心サルコイドーシス、慢性呼吸不全がしられている。

1、サルコイドーシスの診断基準(サルコイドーシスの診断基準と診断の手引き2006)

他疾患の除外を行った上で、下記の基準を満たす場合にサルコイドーシスを診断する。

組織診断群

1臓器に組織学的に非乾酪性類上皮細胞肉芽肢腫を認め、

かつ以下の1)~3)の所見が見られる。

1)他の臓器に非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を認める。

2)他の臓器で「サルコイドーシス病変を強く示唆する臨床所見」がある。

3)「全身反応を示す検査所見」6項目中2項目以上を認める。

臨床診断群

組織学的に非乾酪性類上皮細胞肉芽腫は証明されていないが、

2つ以上の臓器において「サルコイドーシス病変を強く示唆する臨床所見」があり、

かつ「全身反応を示す検査所見」6項目中2項目以上を認める。

《全身反応を示唆する検査所見》

①両側肺門リンパ節腫脹

②血清ACE活性高値

③ツベルクリン反応陰性

Gaシンチグラフィーで著明な集積所見

⑤気管支肺胞洗浄検査でリンパ球増加またはCD4/CD8比高値

⑥血清あるいは尿中Ca高値

○留意事項

  • 診断基準を満たさない例(1臓器のみサルコイドーシスを強く疑う所見がある場合など)では疑診として経過観察を行うのが原則。
  • 但し、生命に危険が想定される場合は治療を行うこともある。

2、サルコイドーシスの症状と検査異常

 

臓器

症状

代表的な検査異常

全身症状

発熱、倦怠感

 

呼吸器症状

咳、息切れ、喘鳴、呼吸困難

·         両側肺門リンパ節腫脹(bilateral hilar lymphadenopathy:BHL

·         上肺野優位の粒状影、斑状影、線維化

·         肺機能低下(TLCFVCDLCO

·         気管支鏡で綱目状網細血管怒張(Network formation)、小結節、気管支狭窄

眼症状

飛蚊症、霧視、視力障害

·         肉芽腫性前部ブドウ膜炎、隅角結節、虹彩前癒着、硝子体混濁、網膜血管周囲炎、網脈絡膜萎縮、視神経乳頭/脈絡膜肉芽腫

皮膚症状

丘疹、結節、環状皮疹、皮下結節

 

心症状

めまい、失神、動悸、心不全

·         心電図異常(伝導障害、心室性不整脈)

·         心臓超音波(局所的な左室壁運動異常、心室瘤、心室中隔基部の菲薄化、左室収縮不全)

神経

末梢神経障害、脳神経症状、痙攣、尿崩症、頭痛

·         造影MRI:髄膜や脳硬膜の造影効果、髄膜/脳実質の腫瘤、水頭症、多発性白質病変

·         髄液:単核球上昇、蛋白上昇、ACE上昇

筋症状

筋力低下、筋痛、腫瘤

·         筋炎

·         MRI:筋内腫瘤

腎症状

腎不全、尿管結石

Ca血症、高Ca尿症、腎尿路の石灰化、

腎腫瘤

消化器症状

黄疸、胃腸症状

内視鏡:潰瘍、粘膜肥厚、粘膜隆起

造血器症状

脾機能亢進、脾腫

·         CT:脾腫、脾多発性低吸収域

·         血液:白血球減少、貧血、汎血球減少

リンパ節

表在/腹腔内/縦隔リンパ節腫脹

·         CTMRI:リンパ節腫大

·         Gaシンチ:リンパ節に異常集積

骨・関節症状

腫瘤、関節痛、変形、骨折

·         X線検査:骨梁減少、嚢胞状骨透亮像、関節破壊変形

1、呼吸器症状

  • 呼吸器病変は全患者の90%以上で認めるとされる。

呼吸器病変を強く示唆する所見

両側肺門リンパ節腫脹(BHL)あり

BHLを認めない場合は以下の何れかの所見を認める。

①胸部X線写真

1)上肺野優位でびまん性分布をとる肺野陰影、粒状影、斑状影が主体。

2)気管支血管束周囲不規則陰影と肥厚

3)進行する上肺野を中心に肺野の収縮を伴う線維化病変

CT所見

1)肺野陰影は、小粒状影、気管支血管周囲間質の肥厚像が多く見られ、局所的な収縮も伴う粒状影はリンパ路に沿って分布することを反映し、小葉中心部にも小葉周辺部(胸膜、小葉間隔壁、気管支肺動脈)にもみられる。

2)結節影、塊状影、均等影も頻度は低いが見られる。胸水はまれである。進行し線維化した病変が定型的な蜂窩肺を示すことは少なく、牽引性気管支拡張を伴う収縮した均等影となる事が多い。

③気管支鏡所見

1)網膜状網細血管怒張

2)小結節

3)気管支狭窄

除外診断

慢性ベリリウム肺、じん肺、結核、悪性リンパ腫とリンパ増殖性疾患、過敏性肺臓炎、Wegener肉芽腫症、転移性肺腫瘍、アミロイドーシス

《肺病変のステージ分類》

Stage

X線所見

Stage

両側肺門リンパ節腫脹

Stage

両側肺門リンパ節腫脹と上肺野優位の網状影

Stage

上肺野優位の網状影と肺門リンパ節の縮小

Stage

網状影、肺容量減少、牽引性気管支拡張を伴う腫瘤の集簇。腫瘤は石灰化や空洞を伴うこともある。

Nodular Sarcoid

肺門リンパ節腫脹は認めず多発性の両側肺野結節影

2、眼病変

  • 眼病変合併率は11-83%とデータが一定していない。

眼病変を強く示唆する所見

(6項目中2項目以上で診断基準に準じて診断)

①肉芽腫性前部ブドウ膜炎

②隅角結節またはテント状虹彩前癒着

③塊状硝子体混濁(雪玉状、数珠状)

④網膜血管周囲炎(主に静脈)および血管周囲結節

⑤多発する蝋様網脈絡膜滲出斑または光凝固斑様の網脈絡膜萎縮病巣

⑥視神経乳頭肉芽腫または脈絡膜肉芽腫

その他参考となる眼病変

  角結膜乾燥症

  上強膜炎/強膜炎

  涙腺腫脹

  眼瞼腫脹

  顔面神経麻痺

除外診断

結核、ヘルペス性ブドウ膜炎、HTLV-1関連ブドウ膜炎、ポスナー・シュロスマン症候群、ベーチェット病、眼内悪性リンパ腫

3、心サルコイドーシス

  • 心サ症として完全房室ブロック、心室頻拍、うっ血性心不全、心嚢水、肺高血圧、心室瘤などを合併することがある。
  • 心臓以外でサルコイドーシスと診断後、数年を経て心病変が明らかになる場合がある。そのため、定期的に心電図、心エコーを行う必要がある。
  • 心病変が他臓器より先行、同時発症などの発症時期は様々。
  • 心サ症の合併率は約25%といわれている。
  • 心サ症は無症状は少ない、何らかの症状を呈することが多い。めまいや失神などの症状があるときは完全房室ブロックの頻度が高い。ついで多いのは心室頻拍や期外収縮である。心電図異常はサ症の22%に認められたという報告もある。(Jpn Circ J. 1980;44(4):249.
  • 心室頻拍が心サ症の死因の25-65%になる。心電図以上などの前兆がある場合もあれば何の兆候もない場合もある。
  • 心不全も心サ症死因の26-65%とされる。心筋内へのびまん性の肉芽腫の浸潤による。他臓器で肉芽腫が証明できない場合は心サ症は特発性拡張型心筋症と区別がつきにくい。
  • 特発性拡張型心筋症とのちがいはより房室ブロックが多い。心筋壁厚の異常、壁運動の不整、心尖部と前壁中隔の潅流障害などが特発性拡張型心筋症と比較して多い
  • 僧帽弁膜症、三尖弁膜症も起こりうる。
  • PETでの集積は診断上有用
  • 心筋炎で発症する例が存在する
  • 全身反応所見が乏しい例が存在するので注意を要する。
  • 偽性心筋梗塞は肉芽腫が心筋に貫壁性生じたため、心電図上は異常Q波などが見えることがある。

《各病変の心サ症中の割合》

完全房室ブロック 23-30%
脚ブロック 12-32%
心室頻拍 23%
心不全 25-75%
突然死 25-65%

Cardiac sarcoidosis: a comprehensive review (Arch Med sci 2011;7:546)

《心サルコイドーシスの診断基準》

心病変を強く示唆する所見

1)主徴候4項目中2項目以上が陽性

2)主徴候1項目、副徴候が2項目以上陽性

主徴候

(a)高度房室ブロック

(b)心室中隔基部の菲薄化

(c)Gaシンチグラフィーでの心臓への異常集積

(d)左室収縮不全(EF<50%

副徴候

(a)心電図:心室性不整脈、右脚ブロック、軸偏位、異常Q

(b)心臓超音波:局所的な左室壁運動異常あるいは形態異常(心室瘤、心室壁肥厚)

(c)心血流シンチでの潅流異常

(d) 造影MRIでの心筋遅延造影

(e)心筋生検:心筋間質の線維化や単核細胞浸潤

除外項目

巨細胞性心筋炎

4、皮膚病変

  • 全患者の25%に合併するとされる

皮膚サルコイド

①結節型:隆起性病変で浸潤のある紅色の丘疹、結節

②局面型:環状あるいは斑状の隆起性病変である。環状皮疹は遠心性に拡大する病変で、中央部は正常皮膚色でやや萎縮性を呈し、辺縁は紅色でわずかに堤防上に隆起する。斑状病変は類円形あるいは不整形の紅斑である。

③びまん浸潤型:しもやけに類似した皮疹で、暗紅色の色調で、びまん性に腫脹する。しもやけの好発部位である指趾、頬部、耳垂に好発する。

④皮下型:種々の大きさの弾性硬の皮下結節で多発することが多い。通常被覆皮膚は正常

⑤その他、苔癬様型、結節性紅斑型(病理組織は類上皮細胞肉芽腫)、魚鱗癬型、乾癬様型、疣贅様型

瘢痕浸潤

外傷などの刺激を受けた部位に生じ、瘢痕に応じて種々の臨床像を示す。膝蓋、肘頭、顔面

結節性紅斑

淡紅色の有痛性皮下結節で下腿に好発する(但し本邦ではサ症で結節性紅斑の合併は稀)

※除外診断:環状肉芽腫、Annular elastolytic giant cell granuloma,リポイド類壊死、Melkerson-Rosenthal症候群、顔面播種状粟粒性狼蒼、酒さ、皮膚結核

《皮下組織の類上皮細胞性肉芽腫》

結核 類上皮細胞肉芽腫(Bazin硬結性紅斑)を生じることもあり、他方では組織学的に非特異的な滲出ないし増殖性の死亡s危険を生じることがある。
梅毒  第2期後期(結節性梅毒疹)たまは第3期(ゴム腫)の反応として生じる。
スポロトリコーシス スポロトリキン反応、組織内菌要素の証明、組織片からの菌の証明、プラズマ細胞、リンパ球に囲まれた肉芽腫、ヨードカリに対する反応
クロモミコーシス 微小膿瘍内の菌要素の証明、菌の培養、鱗屑内の鏡検で菌証明

5、神経病変

 

 

臨床症状

中枢神経

実質内肉芽腫病変

限局性腫瘤病変

(サルコイド結節が癒合して結節を形成)

·         視床下部・下垂体:尿崩症、下垂体機能低下症

·         視交叉:両耳側半盲

·         その他:頭痛、記銘力障害、失語症、片麻痺、感覚障害、視野障害

 

びまん性散在性肉芽腫病変(サルコイド結節が散在)

痙攣発作、精神症状、記銘力障害、失語症、失行症、失認症、錐体路症状

 

脊髄病変

対麻痺、膀胱直腸障害、感覚障害、Brown-Sequard症候群、円錐症候群

髄膜病変

髄膜炎/髄膜脳炎

無症候性、急性・慢性いずれの経過もとる。頭痛/うっ血乳頭/けいれん/発熱はまれ

 

肥厚性肉芽腫性硬膜炎

 

水頭症

 

頭痛、記銘力障害、歩行障害

血管病変

血管炎

精神症状、錐体路徴候、記銘力症状、痴呆

 

脳室周囲白質病変

精神症状、痴呆

 

静脈洞血栓症

偽性脳腫瘍

脳症

 

 

末梢神経

脳神経麻痺

顔面神経麻痺

両側に出現するときは特徴的

 

舌咽・迷走神経麻痺

嗄声・嚥下障害

 

聴神経障害

めまい、耳鳴、難聴

 

視神経障害

視力障害

 

三叉神経障害

顔面の感覚障害、三叉神経痛

 

嗅神経障害

嗅覚異常

 

その他の脳神経

眼球運動障害、複視

脊髄神経麻痺

多発性単神経炎

 

 

多発神経炎

Small fiber neuropathy

 

単神経麻痺

横隔神経麻痺による呼吸困難など

 

その他

神経根障害、馬尾症候群、膀胱直腸障害、下肢脱力、腰痛

急性、亜急性筋炎型

近位筋優位の筋力低下、筋把握痛、発熱、有痛性痙攣

慢性ミオパシー

両側性近位筋優位、またはびまん性の筋力低下および筋萎縮、緩徐進行性、ときに仮性肥大、

腫瘤型ミオパシー

筋肉内腫瘤を触知、

 

6、サルコイド関節炎

足関節病変が90%にみられ、両側性の場合もある。しばしば反応性関節炎との鑑別が難しい。40歳以下で両足関節の関節炎をみたらサルコイド関節症の可能性を積極的に考える。

3、サルコイドーシスの検査異常

1、ACE

  • ACE高値は唯一サルコイドーシス特異的なマーカーであるが、感度57%特異度90である。しかしその他の疾患でも上昇がありうる
  • 肺サルコイドーシスを疑われた患者153名(サルコイドーシス36名、他疾患117名)の研究でACE<25IU/LでLR+0.12、25-71でLR+1.38、>71IU/LでLR+7.18であったとする報告がある。(Am J Clin Pathol. 2010 ;134:939)

 

《ACEが上昇する病態と頻度》

肉芽腫性疾患

ベリリウム肺

75

サルコイドーシス

57

珪肺症

42

Hansen

34

原発性胆汁性肝硬変

27

ヒストプラズマ症

16

肺石綿症

11

肺結核

4

Hodikin

3

非肉芽腫性疾患

Gaucher

100

甲状腺機能亢進症

80

肝硬変

30

糖尿病

25

 

2、高Ca血症、高Ca尿症

  • 欧米ではサ症に伴う高Ca血症の頻度は10%前後とされるが、本邦では少ない。
  • 1.25(OH)2vitD3の上昇が原因とされている。
  • 高Ca尿症は高Ca血症の3倍の頻度といわれており、腎尿管結石の原因となる。

 

3、血清ADA

  • 時に上昇が見られる

 

4、リゾチーム

  • 診断的意義は低い

 

5、気管支肺胞洗浄

  1. 総細胞数の増加
  2. リンパ球比率の上昇
  3. CD4/CD8比上昇がみられる(CD4/CD83.5以上で感度59%、特異度94%)

     

  • 鑑別として過敏性肺臓炎、慢性ベリリウム肺がある。

《参考:健常人のBAL値》

 

総細胞数

Mφ(%)

リンパ球(%)

好中球(%)

好酸球(%)

非喫煙者

12.72±8.42

87.75±7.27

11.8±10.69

0.94±1.31

0.27±0.64

喫煙者

41.8±4.5

92.5±1.0

5.2±0.9

1.6±0.2

0.6±0.1

 

4、サルコイドーシスの臨床病型

○慢性サルコイドーシス

  • 大部分のサルコイドーシスは慢性発症で時期を特定できない。そのため初診時より2年間症状が続くものを慢性サルコイドーシスと決めている。
  • 一般に予後は良好だが難治性のものも存在する。

○結節性紅斑

  • 本邦では少ないが、海外では結節性紅斑の半数はサルコイドーシス。

○Lofgren症候群

  • 結節性紅斑、関節炎、両側肺門リンパ節腫脹、発熱を伴って発症。

○Heerfordt症候群

  • ブドウ膜炎、耳下腺腫脹、顔面神経麻痺が3徴で微熱を伴うもの。
 

5、治療

  • 無治療で改善する例が多いことから、治療すべき患者の選定をどうするか、経過観察や治療効果判定を行うときに、注意すべき点は何かが重要となる。

 

《臓器病変と治療》

臓器病変

適応

治療

胸痛

NSAID

 

咳または喘鳴

吸入ステロイド

 

呼吸困難、肺機能低下(FEV1.0FVCDLCOが予測値の70%未満

PSL2040mg

 

ステロイド減量困難

MTX追加

 

肺高血圧、Stage

上記+移植を検討

心臓

心ブロック

PSL+ペースメーカー

 

心室細動

PSL+埋め込み型除細動

 

心不全

上記+移植を検討

神経

無菌性髄膜炎、脳神経障害

PSL3040mg0.5mg/kg

 

大脳病変、脊髄病変

mPSLpulse+PSL1mg/kg

前部ブドウ膜炎

ステロイド点眼(局注)

 

後部ブドウ膜炎

PSL2040mg

Ca血症/尿症

腎尿管結石

PSL2040mg

皮膚

結節性紅斑

経過観察、NSAID

 

 

外用ステロイド

 

びまん性浸潤型皮疹(lupus pernio

PSL2040mg、難治性の場合は1mg/kg

嚢胞状の骨溶解

PSL2040mg

筋痛、運動障害を伴う筋炎

PSL2040mg

涙腺/唾液腺

症状あり

 

関節

 

NSAID、コルヒチン、PSL10-15mgMTX

 

《ステロイド以外の治療》

薬剤名

有効性、コメント

メトトレキセート(Methotrexate:MTX

ステロイド不応または副作用時に最初に選択される免疫抑制剤である。肺、眼、皮膚、肝、神経病変での有効性が報告されている。5-7.5mg/週使用する。

アザチオプリン(Azathioprine:AZA)

MTX不応例や使用できないときに用いられる。

肺サ症への有効性が報告されている。

シクロフォスファミド(CyclophosphamideCPA

内服の場合2550mgから増量し、白血球40007000/mm3を目安に増量する。パルス療法として5001000mg24週ごとで使用することもある。

シクロスポリン(cyclosporinA

小規模症例の報告で有効性が示されず、多毛や知覚異常、高コレステロール血症などの副作用が増えたとの報告がある

ミコフェノール酸モフェチル(Mycophenolate mofetilMMF

皮膚、中枢神経、腎サ症で有効であったとする症例報告がある。

テトラサイクリン系抗菌薬(ミノサイクリン、ドキシサイクリン)

皮膚病変の一部に効果があるという報告がある。肺サ症には有効性は示されていない。

インフリキシマブ(infliximabINF)

生物製剤の中では最もよく使用される。難治性の神経サ症、心サ症、皮膚サ症、上気道病変での有効性が報告されている。

アダリムマブ(Adalimumab

皮膚、血液異常の症例で効果があったという報告がある。皮膚サ症に対してphaseⅡ臨床試験が進行中。

エタネルセプト(etanercept

stageⅡまたはstageⅢの肺病変。眼病変にたいして試みられたが改善が見られず治験が中止となっている。

ボセンタン(bosentan

肺線維症や肺高血圧の治療薬として期待されている。肺高血圧に対するphaseⅡ、phaseⅢの治験が、同じくエンドセリンレセプター阻害薬であるambrisentanと同じく進行中である。

リツキシマブ(rituximab

神経サ症に対して有効であったとする症例報告がある。現在難治性肺サ症に対するphaseⅡの治験が進行中である。

コルヒチン

サルコイド関節症には有効だが、肺サ症には無効であったとする報告がある。

NSAIDs

関節症、発熱に用いられる。

◎肺サ症の治療

  • 自然軽快する例も多いため過剰な治療を行わない。即座に治療すべき状況をでなければ、経過を観察しながら適応があるかを見極める。
  • サ症での死亡率は5%である。進行性の肺線維症や肺性心、肺アスペルギルス症による吐血。心サルコイドーシスなどが原因となる。

○すぐに治療適応がある場合

  1. 症状がある場合(咳、息切れ、胸部不快感、血痰)
  2. 肺機能検査でFEV1.0<予測値の70%またはSpO2<90%またはDLCO<60
  3. 太い気管支、血管周囲の肥厚、気管支の変形/拡張や無気肺の悪化など広範囲なX線異常陰影

○治療適応を考える場合

  1. 経過中に上記の症状が出現した
  2. 36ヶ月経過観察して肺機能が悪化する場合(TLC10%以上またはFVC15%以上またはDLCO20%以上またはSpO2 4%以上の低下)
  3. 画像所見が悪化する場合(間質影、空洞性病変、線維化など)
  4. 肺高血圧の悪化
  5. 眼、神経、心、腎などの肺外病変、または高Ca血症/尿症を認める場合。
  6. 発熱、筋力低下、倦怠感、持続する皮膚症状、上気道症状、肝障害がある場合は治療の絶対適応ではないが、症状を訴える場合には治療適応がある。

○治療の適応がないまたは保留とする場合

  1. StageⅠ、StageⅡで無症状(6080%が自然に寛解する)
  2. 肺機能に軽度の低下がみられるが血液ガスは正常で無症状の場合は無治療で36ヶ月経過観察する。(50%は改善がみられる)
  3. Stage3で肺機能軽度低下があるが無症状の場合も経過観察でよいが、改善がみられるのは33%のみにとどまる。

 ①ステロイド治療

  • ステロイドの使用量についての根拠は乏しいが内服ステロイド治療の場合はPSL30mg/日(0.30.6mgkg)または60mg/隔日で4週間継続。その後24週ごとに5mgずつ漸減する。隔日投与の場合は10mgずつ漸減する。
  • 治療の反応性の評価は自覚症状の改善が最も重要であるが、理学所見、胸部X-p、肺機能検査も参考にする。
  • 改善しない場合や減量とともに咳、呼吸困難、胸痛などを伴って再燃する場合は、後述のMethotrexateAzathioprineなどの免疫抑制剤の併用を考慮する。
  • 維持量としてPSL2.55mg/日または510mg/隔日を目標とする。
  • 治療開始から12年を経て安定している場合は中止を試みることも可能である。
  • 中止後に再燃する割合が約1/3といわれる。
  • stegeⅠまたはⅡで咳や喘鳴のみが問題となる場合や経口ステロイド維持療法の代用として吸入ステロイド治療が行われることがある。吸入ステロイドは肺機能の改善はみられないが、咳や喘鳴の改善をみたという報告がある。

《ステロイド以外の治療を考慮する場合》

PSL15mg以上投与を継続しているにも関わらず進行を抑制できない。

・コントロール不良の糖尿病や体重増加が著しい、ステロイド筋症、骨粗鬆症

PSL10-15mg以下に減量すると病勢が再燃し、ステロイドの副作用も同時にある場合。

・患者がステロイドの使用を拒否した場合。

  • 治療強化の前に改善しない理由を考える必要がある。ステロイドを患者が飲んでいないというのはよくある原因である。十分な説明をし納得させる。
  • 合併症の評価も必要である。既に肺機能が落ちている。感染、心不全、肺塞栓、肺高血圧を合併している。肺機能検査、胸部CT、心エコーなどを行いベリリウムの曝露があるかどうかの確認を再度行う。
  • 可逆性の病変かどうかの評価も重要である。HRCTだけでは十分な評価は出来ない。長期に肺機能が安定している場合は線維化が固定化していると考えてよい。しかし迷う場合は免疫抑制剤を投与して治療反応性があるかを確かめることもある。

 

②メトトレキセート

  • 小規模のRCTを含めた研究でMTXの有効性を示すものがある。肺、眼、中枢神経病変に効果を認めている。肺サ症は40-60%の奏功率と報告されている。
  • 7.5mg/週から開始し15mgまで増量可能。筋注は嘔気が強いときや3-6ヶ月15mgで治療しても改善のない時には筋注を行ってもよい。
  • 血算、肝機能、アルブミン、B型肝炎、腎機能、C型肝炎の有無を調べる

③アザチオプリン

  • 肺サ症に対してMTX不応例や副作用で使用できない場合に試みられる。
  • 少数例の研究があるのみである。
  • 通常50mg/日で開始しする。
  • 副作用の発現率はTPMT遺伝子解析により予測できるとされる。投与前に血算、アルブミン、肝機能、腎機能を測定しておく

④レフルノミド

  • 関節リウマチでも使われるレフルノミドが有効であったという報告もある。
  • MTX+レフルノミドの使用報告もある。

⑤生物製剤

  • PSL15mg/日でも押さえ込めず、MTXAZALEFで効果が得られない場合に候補となる。潜在性結核の除外のためツベルクリン反応やクオンティフェロンテストを行う。

    Infliximab(IFX)

  • 一定の効果が見られたが、効果の持続が不十分、CD4+リンパ球減少がある場合に効果が出やすいという報告もある。(chest2010;137:1432
  • IFXMTXまたはIFXAZAは有効と考えられるがデータが乏しい。

    Adalimumab

  • 皮膚、血液異常の症例で効果があったとする報告がある。

  Etanercept

  • StageⅡまたはstageⅢの肺病変に対する使用報告がある。眼病変に対して試みられたが改善が見られず治験が中止となっている。

その他の効果が期待できる薬剤。

  • Cyclophosphamideは上記の薬剤が使えない場合に試されることがある。CPA2550mgから増量するが白血球40007000/mm3を目安に増量する。5001000mgmm324週ごとのパルス療法で代用することもある。
  • ボセンタンはエンドセリンレセプター阻害薬は線維化を抑制する目的で肺線維症や肺高血圧の治験薬として期待されていて治験が進行中である。
  • ミコフェノール酸モフェチルは皮膚、中枢神経、腎サ症で有効であったとする症例報告がある。
  • コルヒチンはサルコイド関節症には有効であったが、肺サ症には無効であった。
  • cyclosporinCsA)は小規模症例の報告で有効性が示されず、多毛や知覚異常、高コレステロール血症などの副作用が増えた。
  • NSAIDは関節炎や発熱にはよいが肺サ症には有効でない。
  • テトラサイクリン系抗菌薬、サリドマイドは皮膚症状を改善したが肺サ症の改善効果は示せない。

⑦現在治験が進行中の薬剤には以下のものがある

  • 現在肺サ症に対してはustekinumabgolimumabPhase2)、Pentoxifylline(Phase2)、AtorbastatinPhase2)、末梢血幹細胞移植(PhaseⅠ)
  • 難治性肺サ症に対してRituximabPhase2)、Abatacept(Phase2)
  • 肺高血圧に対してAmbrisentanPhase2,phase3)、Bosentan(Phase2Phase) 、吸入IloprostPhae4)、Tadalafil(PhaseⅡ、Phase)
  • 眠気、倦怠感に対してArmofafinilPhaseⅡ、PhaseⅢ)、d-methylphenidatePhaseⅣ)、
  • 皮膚サ症に対してCC-100004PhaseⅡ、PhaseⅢ)、Adalimumab(Phase)

 

◎サルコイド関節症の治療

  • 多くは自然寛解するため対症的にNSAIDが使用されることが多い。
  • しかし2週間使用しても無効の場合、コルヒチン、PSL10-15mgが試される。
  • これが無効または副作用で使用困難な場合はMTXを併用する。
  • これらの治療に抵抗する難治例に対してはTNF-α阻害薬は有望である。ただしinfliximabは有効であるが、Etanerceptは無効、adalimumab,Rituximabについてはデータがない。また、TNF-α阻害薬でかえって肺肉芽腫性肺病変を合併したという報告が多数ある。

◎心サ症の治療

  • 治療の目的は炎症と線維化を抑制し、心臓の構造破壊や機能低下を防止することである。
  • 房室ブロック、心室頻拍などの重症心室性不整脈、局所壁運動異常あるいは心ポンプ機能の低下では副腎皮質ステロイドの全身投与が治療の中心となるが使用量のエビデンスは乏しい。
  • 心サ症治療ガイドライン(日サ会誌2003,23(1):105-114や本邦の他施設アンケートの結果(日サ会誌 2010; 30: 73-76では標準的にPSL30mg(0.5mg/kg/)が使用されているが、病態に応じてPSL60mg1mg/kg/日)まで増量されている。
  • 初期投与期間を4週間とし、その後漸減、維持量として7.5mg以下を目標にする。
  • ステロイド不応または副作用で使用困難の場合はMTX5-7.5mg/週が単独またはステロイドと併用で用いられることがある。
  • 海外ではCyclosporinCyclophosphamideの使用報告もある。Medicine 2004;83:315-334
  • しかしステロイドだけで重度の心サ症が軽快することは稀である。
  • 従って高度/完全房室ブロックなどの徐脈性不整脈に対しては恒久的ペースメーカー埋めこみ、重度の心室性不整脈には抗不整脈薬やカテーテルアブレーション、埋め込み型除細動器が用いられる。
  • また重度の心不全に対して心臓再同期療法(Cardiac Resynchronization TherapyCRT)が行われることもある。さらに心臓移植も考慮される。

◎神経サ症の治療

  • 神経サ症はサ症の約5%に合併する。中枢神経、末梢神経のあらゆる部位を侵す。
  • 自覚症状、他覚症状、画像所見いずれも乏しい場合は自然消退もあるので経過観察も可能。

以下の場合にはステロイド投与を行うが、経験的な設定である。

  • 無菌性髄膜炎や末梢性顔面神経麻痺、筋炎ではPSL30-40mgが必要である。初期量を2~4週間持続し漸減する。
  • 髄膜や脳実質内の腫瘤、脳症/脳血管障害、水頭症などの難治病態にはPSL60mgを必要とする。
  • 進行が急速な症例にはステロイドパルス療法を併用する。
  • 漸減は5mgを2週以上毎で行い、維持量は10mg/日以下が望ましい。
  • 20mg以下では再燃が散見されるためより緩徐な減量を行う。
  • もし再燃した場合は再燃前のPSL量の2倍にする。
  • 改善や再燃の評価にはMRIや神経伝導速度、筋電図が有用である。髄液所見の正常化を指標とすると過剰な免疫抑制になるので推奨できない。

ステロイドが不応、副作用にて使用できないなどの場合はMycophenolate mofetil、azathioprine,methtrexate,cyclophosphamide,cyclosporineなどの免疫抑制剤が用いられることがある。

  • これらの薬剤に強いエビデンスはないため副作用やコストなどを考慮して選択されている。
  • どの薬剤が効果が期待できるのかを予測できる指標がないため、良好な治療効果を得られるまでに3~4種類の免疫抑制剤が試みられることもある。
  • Infliximabやrituximabも少数の使用例であるが、ステロイド抵抗性の症例での効果が示されている。
  • 下垂体病変で尿崩症を伴う場合はデスモプレシン点鼻の併用をする。
  • 水頭症の場合にはドレナージ術が行われることもある。

予後は病態によって異なる。

  • 脳神経障害は回復することが多いが視神経障害の一部は失明する。
  • 無菌性髄膜炎の予後も良好である。
  • 一方で尿崩症や視床下部下垂体機能不全は遷延しホルモン補充療法の継続が必要である。
  • 脳症、血管炎、脳室拡大、末梢神経障害、筋障害は増悪寛解を繰り返しながら進行することが多い。
 

◎眼サ症の治療

  • 視機能障害に陥る可能性の低い眼サ症の治療は無治療での経過観察かステロイド点眼が中心の加療を行う。
  • 局所療法として眼周囲組織へのステロイド注射が行われる場合もある。
  • しかし一方で眼底や視神経に炎症が及んでいる場合や硝子体混濁が強く視力が低下している場合、虹彩毛様体炎が局所治療に抵抗する場合、眼圧が高い場合などではステロイド内服を必要とする。
  • PSL30-40mg(0.5mg/kg)で開始し、約4週間継続、1~2ヶ月ごとに5mgずつ減量し、5mg以下を目標とする。数ヶ月継続し中止可能となることも多い。
  • 虹彩の水晶体への癒着を防止するために散瞳薬の併用が行われる。
  • ステロイド抵抗性の症例にはMTXやMMF、AZAなどの免疫抑制剤の併用が試みられている。また他臓器同様にINFの効果も報告されている。

◎ 高Ca血症、高Ca尿症

  • Ca含有量の多い食事を避ける、Ca製剤やビタミンDの摂取を控える、日光への過度な曝露を避ける、水分摂取に努めるなどの生活指導とカルシトニン注射を行う。
  • PSL15~25mgも有効であり、血清Ca値をみながら治療効果をみる
 

◎皮膚サ症の治療

  • 皮膚サルコイドーシスも自然寛解する例が多いため過剰治療は禁物だが、他臓器とは違って美容にも留意しなければならない。
  • まずは外用ステロイドを試みる。顔以外にはclobetasol(デルモベート)などのstrongestのランクの外用ステロイドを用いる。顔に対しては吸収がほかの部位に比べてよく、萎縮をきたしやすいためHydrocortisone(ロコイド)などmediumランクのステロイドをもちいる。
  • 4週間使用しても改善が見られない場合はステロイドの局所注射や内服に切り替える。
  • ステロイドの局所注射はびまん性浸潤型(lupus pernio)や結節型、肥厚が著しい場合に行うことがある。Triamcinolone(ケナコルト)がよく用いられる。時に皮膚萎縮、色素脱失、副腎抑制などの副作用が生じるため一回の投与量は20mg以下が望ましい。
  • 内服ステロイド剤はlupus pernio型皮疹や皮膚潰瘍など難治例の場合に使用される。PSL2040mg(0.5mg/kg)で開始し、改善した場合は5mg/週で減量する。減量中に再燃した場合は、再燃前の投与量に戻してMTXを併用する。
  • もし2週間経っても改善しない場合は1mg/kgまで増量しMTXを併用する。これで改善したなら10mg/週で減量する。MTX5-7.5mgで使用するが、欧米の文献上は10-25mg/週使用されており、効果不十分の場合は増量する余地がある。
  • テトラサイクリン系抗菌薬が皮膚サ症の2070%に有効であると報告されている(日サ会誌2008;28:41-47Arch Dermatol. 2001;137(1):69.)。機序は明確でないが抗菌作用以外の何らかの免疫調節作用が示唆されている。Minocyclineまたはdoxycycline 100mg/日から開始し効果不十分なら200mg/日まで増量する。ふらつきや消化器症状がしばしば起こるが、Doxycyclineの方が副作用は少ない。
  • これらの治療に抵抗性の場合はinfliximabが候補となるが、皮膚病変にかんしては有効、無効双方の報告があるためEur Respir J. 2008 Jun;31(6):1189-96Chest. 2009;135(2):468.導入する場合は費用、効果、副作用のバランスを考慮して行う必要がある。
  • その他Tacrolimus外用薬、AdalimumabAllopurinolPUVA療法などが有効であったとする報告がある。

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