【症例】
セブ島に1か月滞在後帰国。
帰国5日目に悪寒戦慄と発熱、8日目に肝障害を指摘され紹介。
BT36.8、PR60、BP117/71、RR24。血液検査でAST164、ALT3385、ALP1460、γGT438、Plt13万、ATY-Ly25%、フェリチン2326。4日目のIgM-HA抗体0.7と陰性。
入院後経過観察のみで肝炎軽快傾向。
14日目にIgM-HA抗体再検、5.2と上昇をみとめ、急性A型肝炎と診断。
【症例】30代男性
【薬剤】PSL105㎎、ACV、FLCZ、LVFX、ST。
【身体所見】BT36.8℃、BP106/61、HR90、RR24、SpO2 96%、上腹部と右下腹部の違和感を触診で認める。舌白苔あり、腹部打診上は鼓音、L5/S1で周囲に放散する痛み。リンパ節腫脹なし。
Patrick test(-)、Psoas test(-)
【検査】WBC630(Neu33/µl)、LDH380、AST/ALT25/40、ALP168、γGT97、Hb10.4、CRP0.0、髄液異常なし。
《初期アセスメント》
S/O Nerutropenic enterocolitis(好中球減少性回盲部炎)
→MEPM、VCM、L-AMPで治療開始。
その後
【血液培養】嫌気性ボトルのみGPR(鑑別:クロストリジウム、Lactobacillus,listeria,放線菌)
→その後1週間出続けた。Clostridium innocuumが検出された。
【CT】右腸腰筋、大殿筋に筋炎
《診断》C.innocuumによる右腸腰筋、大殿筋の化膿性筋炎
○C.innocuum感染症
【症例】29歳フィリピン人男性
【主訴】心窩部痛、便中索状物
【生活歴】農場経営でヤギ肉、ヤギレバー、豚レバーを生でよく食べる。豚肉、鶏肉はなし。
【身体所見】BT36.6℃、HR62、BP120/702、SpO2 99%
《鑑別診断》60㎝はまず条虫でよさそうなので
ところで、生食にともなう寄生虫の総論
動物種類 | 寄生虫種類 |
ブタ | 有鉤条虫、アジア条虫、ブタ回虫、旋毛虫 |
ウシ | 無鉤条虫、ブタ回虫、旋毛虫 |
ヤギ | 拡張条虫 |
【経過】
虫卵検査の結果、無鉤条虫や有鉤条虫よりも少し小さいアジア条虫の虫卵がみつかった。プラジカンテルにより駆虫。数mにも及ぶ虫体が排泄された。
寄生虫名 | 特徴 | 治療 |
無鉤条虫 アジア条虫 |
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プラジカンテル5㎎/kg (1回のみ) |
有鉤条虫 |
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ブタ回虫 |
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