Platypnea Orhtodeoxia syndrome

「臥床では正常だが、坐位や立位で低酸素血症(起坐呼吸の逆)」という病態があります。

これは”PlatypneaーOrthodexoia”とよばれる病態です。

Platypnea-OrthodeoxiaSyndrome: Etiology, DifferentialDiagnosis, and Management
では原因が以下にまとめられています。

《Defferential Diagnosis of Platypnea-Orhtodeoxia》

Cardiac Patent foramen ovale
  Atrial septal aneurysm
  Atrial septal aneurysm
  Pericardial effusion
  Constrictive pericarditis
  Aortic aneurysm
Pulmonay empysema
  Arteriovenous communications
  Pneumonectomy
  Amildarone toxicity
  Heptic cirrhosis
  Ileus
Autonomic dysfuncition  
大きく分けて
  1. 右心房ー左心房シャント
  2. 肺内シャント
が原因でそのほかの要素は上記の原因を修飾する原因です。
 
1、右心房ー左心房シャント
  • 右→左の交通があっても肺高血圧、心房粘液腫などによる右室流出路狭搾などにより”右房圧>左房圧”とならない限りシャントは生じない。
  • 卵円孔や心房中隔は立位では引き伸ばされて、交通しやすくなる。
  • さらに、下大静脈からの血流は心室中隔に向かって流れやすい傾向があるが、加えて、Eustachian valve(=下大静脈弁:胎生期の遺残物;下図)、心室中隔の偏位、上行大動脈瘤や被覆化された心嚢水による圧迫、肺切除による心臓周囲の構造変化があるとこの傾向は強まる(ことがある)。この場合は必ずしも右房圧が高くなくてもシャントが生じうる。(CHEST2005;128:998-1002)
《Eustachian valveが存在するときの血行動態》
  • Eustachian valveは下大静脈からの血流を卵円孔に向け、右房圧の上昇がなくても、卵円孔を開存させるように圧がかかる。
  • 右図は上肢からBabbleを注入したときの経食道心エコーである。
  • 下大静脈の血流がPFOに向けて流れるため、上大静脈から流入したBabbleでPFOに流れるのはわずかである。
  • 従って、Babble超音波検査の感度と特異度を上げるためには、下肢からのBabble注入が必要である。
(Circulation. 2003;107:5)
 
(クリックすると拡大します→)

2、肺内シャント

  • 肺内シャントについては肺底部の解剖学的なシャントが形成されれば、立位時のV/Qミスマッチ増大により低酸素血症が生じる。
  • 肺内の機能的なシャントが生じうる状況として心タンポナーデと肺気腫がある。
  • 心タンポナーデでは「立位による前負荷低下→肺動脈血流低下→V/Qミスマッチ増大」が考えられている。
  • 重症肺気腫では「肺胞圧上昇>毛細血管圧なので立位時には肺動脈血流低下/死腔換気増大→低酸素血症」の可能性が考えられている。
  • アミオダロンによるPlatypnea-Orhodeoxiaの症例報告もある。肺底部の局所的な血管収縮によるV/Qミスマッチが考えられている。
  • 肝硬変でも肺内シャントが生じるとされている(肝肺症候群)

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